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ゼミ報告

大きく羽ばたいてください      古賀純一郎

ゼミの古賀です。ゼミブログは一義的には今月で終了します。12年間の教員生活を振り返り、最後の最後に1回だけ投稿します。

 ゼミブログを始めたのは茨大に転身した2年目の2010年ごろでした。10年以上経過すると自動的に削除されるのか、当時のゼミ生の書き込みを見ることはできません。プリントアウトしておけば良かったと思っても今となっては叶いません。とても残念です。

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 きっかけは高野先生がゼミブログを始めたことでした。発想の豊かな高野ゼミ員の元気印の書き込みが飛び交う斬新で面白いサイトでした。ブログに書けばゼミ員の文章力は向上するし、ゼミのPRにもなるのでいいかなと単純に思い、ゼミ員に相談すると異論もなく、右へ倣えでスタートしました。もっとも、高野ゼミのブログは、なぜか、短期間で終了となり、かたや、古賀ゼミは以来10年以上も続いています。「継続は力なり」。興味深いことです。

 

 20113月には東日本大震災という驚天動地、未曽有の災害がありました。当日午後、研究室にいて机に向かっていた私は、始まった揺れに最初は、「また地震か」程度の軽い受け止め方でした。ところが、30秒経過しても収まらず、今度は地面から突き上げられるような激しい縦揺れに変わりまりました。本棚の書籍やファイルなどが躍るように飛び出してバラバラと床に落ちはじめ、部屋の中はみるみるうちに滅茶苦茶になりました。

さらに、C棟自体が左右に大きく揺れ出し、ビル全体が倒壊するのではないかと思うほどの凄まじさでした。研究室にはたまたま高野先生がおられ、2人とも血相を変えて廊下に飛び出し、「凄い地震だ」「震源地はどこだろう」「東京でなければ良いが・・・」などと顔を見合わせて話しましたかな。

 

 停電でエレベーターはストップ、階段を駆け降りて外へ出ると構内のあちこちに先生方が三々五々集まっていました。私は、自宅が心配で、停電で信号が消えた中を、注意深く車を避け、自転車で自宅に戻りました。自宅のドアを開けるとどうでしょう。居間や勉強部屋にあった本棚計6つはいずれも倒れ、部屋の中はやはり酷い散らかりようでした。電源の復旧には翌日夕まで待たなければなりませんでした。

その日は、たまたまあったまんじゅう2個食べ、歯も磨かずそのままベッドに潜り込み、翌朝まで熟睡しました。

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混乱の中で予定されていた卒業式もできず、森田、有留、宍戸、黒羽の4年生4人はバラバラに散っていきました。何もできずに寂しかったですね。そういう意味もあって、その翌年から卒業式の日は研究室に集まり、簡単なレセプションをすることにしました。

コロナ禍の折、今年の卒業生も10年前と同じ、いやもっと悪かったかもしれませんね。追いコンも出来ず、とても気の毒な気持ちで一杯でした。卒業式・学位授与式には、3年生の副ゼミ長高橋葵さんが駆けつけてくれました。ありがたい限りでした。

 冒頭に触れたように大学には都合12年間おりました。良い言葉で言えば、柔構造の会社からお役所仕事が極致のガチガチの大学とはまるっきり正反対、最初はとても戸惑いました。「習うより慣れろ」というのか、いつの間にか、主のような顔をするようになりました。この間に送り出したゼミ員は80人強。研究者としての実績は出版した書籍4冊、論文約30本、雑誌などにもかなり投稿しました。毎日がとても忙しくあっという間に過ぎたという感じです。

 さて、これからどうするか。複数の総合誌などから毎月、執筆を要請されているので、これからはこれを軸に、大学の紀要論文、報告書、エッセイ風の論文などを書く積りです。記者時代は政治経済を扱う財界記者だったのでこの辺りの記事が中心となります。頭の中にあるテーマは10本近くあります。1つを書き上げるのに最低1年はかかりそうなので15年くらいは忙しくできそうです。

旅行も好きなので、コロナに早く収束してもらい、世界中を飛び回りたいですね。目指すのは南極大陸と南米の秘境パタゴニア。南極は、10年位前は100万円程度の旅費でなんとかなりましたが、最近は2倍に跳ね上がってます。会計担当のおカミさんとの相談になります。

最後に皆さんに贈る言葉です。私の経験では大学生は、「時間はあるがカネがない」です。社会に出ると、毎月の給料があるので浪費をしない限り、「カネはあるが時間がない」生活に180度変わります。会社の仕事には一定の責任が伴います。辛いことも時にはあります。上司や部下とぶつかることも少なくありません。馬の合わない人はどこにでも、誰にでもいるものです。

これをどう乗り切るか。大事なことは、「ケンカ」しないことです。すれば自分が損をするだけです。同じ世界で働いていると意外なところで協力をお願いすることになります。「ケンカ」をすると頼み辛くなりますし、相手もやってくれません。会社は人事異動というとても良い制度があり、担当部署は23年で交代します。嫌な上司や部下もいなくなります。自分が異動するかもしれません。腹を立てずに長い目で見ましょう。

長い人生は結構面白いです。先ほど言及したように辛いこともありますが、楽しいことはもっとたくさんあります。私の経験だと20代より30代の生活が面白かったです。40代はどうだったかというと30代より充実してました。50代は、茨大に転身した頃で、仕事が替わり、大変面白く、有意義な日々でした。60代になると大学で国際関係の仕事を担当し、海外の提携校を訪れ、話をして、これも結構面白かったです。ということで、実は、私は70代に入るともっと楽しい生活が待っているのではないかと大いに期待しております。「人間万事塞翁が馬」です。

もっとも、大事なのは、仕事にしても前向きに取り組み、楽しいものに変えることですかね。これはとても大事です。嫌々取り組んでも仕方がありません。これからは、転職して仕事を2つも3つも経験する時代となります。来るべき時のために自分を常に磨いておいてください。そのために本を読み、新聞に常に目を通しておいてください。ネットでは不十分です。

あとは、人を大切にすること。その人が君の人生の大恩人になるかもしれません。運と縁がこれからの人生でとても大事です。私にもそうした人が何人かいます。その人がいなかったら、今の仕事に就いていなかったかもしれないと思うことがあります。誠実に付き合うことがとても大事です。

幸運なことに、私の現在の自宅には、本を読み、原稿書く机と部屋があります。皆さんにいただいた花束が机の隣に飾ってあります。現在入っている写真は昨年の追いコンのショットですが、8月の追いコンで撮影する予定の写真に入れ替えたいと思います。幹事団、準備、よろしく。

あと、昨年前期に古賀ゼミにいた馬渡ゼミの関森さんに声を掛けたところ、追いコンには是非参加したいとのことでした。大学入門ゼミで一緒だった岩佐ゼミの大塚さんも加わってくれそうです。既に2人分の会費1万円近くをいただき、副ゼミ長の高橋さんが持っています。半年遅れで盛大な追いコンをやりたいものです。幹事団、よろしくお願い致します。日程が決定したら水戸在住のゼミOBOGに声を掛けてみましょう。

では、皆さん、1回しかない人生です。存分に楽しみ、大きく羽ばたいてください。 

追加、私の個人のブログは訳あって現在休止中です。その訳が解決すれば再開します。ここ半年のことではないと思いますが、乞うご期待。

                                    (終)


by kogazemi | 2021-03-27 19:00 | ゼミ報告

茨城大学 古賀ゼミ


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